インド・HP州のJICAデジタル農業地図作成事業の成果報告

「人類と地球の共存を実現する」をビジョンに掲げるスタートアップ企業であるサグリ株式会社は、2019年9月にJETRO(日本貿易振興機構)の日印スタートアップハブ第一号案件として、インド子会社である、サグリ・ベンガルール・プライベート・リミテッド(Sagri Bengaluru Private Limited)を立ち上げ、インド事業を推進してまいりました。この度、国際協力機構(JICA)がヒマチャル・プラデシュ州で実施する円借款事業において、高解像度の衛星データを、AIによる画像処理技術を活用して農地区画を形成する技術(AIポリゴン)を活用したデジタル農業地図の作成業務が完了し、JICA主催、経団連後援セミナーである「ODA 事業の DX 推進に向けた具体的取組みの紹介」において、成果報告を行ったことを報告致します。

ヒマチャルプラデシュ州でのデジタル農業地図の取り組みについて

インド北部ヒマチャルプラデシュ州の現地圃場写真インド北部ヒマチャルプラデシュ州の現地圃場写真

サグリ・ベンガルール・プライベート・リミテッド(Sagri Bengaluru Private Limited)は、州政府向けプロジェクトとして、国際協力機構(JICA)がインド北部ヒマチャル・プラデシュ州で実施する円借款事業「ヒマチャルプラデシュ州農作物多様化推進事業」において、デジタル農業地図の作成を行いました。まずは当社のコア技術である農地区画を形成する技術であるAIポリゴンを用いて、約500の農地の農家情報・農地データを統合し、それぞれの区画をクリックすると、デジタルで農家や農地情報の可視化を実現した”デジタル農業地図”のプロトタイプを作成しました。これまで、ヒマチャルプラデシュ州農業局において、紙ベースの地図・情報に基づくデータの管理と、そのデータを生かした営農指導を行っていましたが、当事業を通じて作成したデジタル農業地図の活用によって、効率的な指導を目指し、検証したものです。https://www.nna.jp/news/show/2266245

Sagri Bengaluru Private Limited Chief Strategy Officer 永田賢からのコメント

衛星データは、広域かつ周期性をもって取得できるため、その有用性が期待されています。我々の強みである高解像度の衛星データを、AIによる画像処理技術を活用して農地区画を形成する技術(AIポリゴン)は、衛星データというビックデータを活かし、スマート農業のプラットフォームとなる農地区画情報を幅広く展開できる基盤データになると確信しております。しかし、小規模農業を営む低所得農家が衛星データを直接活用する未来が当たり前化するためにはもう少し時間がかかります。そのため、州政府と連携をすることで、広範囲の農地のデジタル化を目指し、州内の幅広い農業者に営農指導を行える状況を目指します。